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1955 Mercedes Benz 300 SLR Coupe Chassis # 0008/55 1/24 FUJIMI Enthusiast Series 08226




■概要
1955年、前年のF1世界選手権での圧倒的勝利に続きDaimler Benz AGはワールド・スポーツカーチャンピオンシップへのチャレンジも開始した。
基本構造はW196Rと同様で排気量を3リッターに拡大し2シーターとした300SLRである。
そして300SLRは期待通りの活躍を見せる。
ファンジオ、クリング、ラングら前年活躍したドライバー陣に、この年からスターリング・モスが加わり更に充実した陣容となった。

1955 Mercedes Benz 300 SLR


シャシー・ナンバー
300SLRは全部で9台製作されている。
以下がそのシャシーナンバーで9台の内2台がクーペとして製作されている。
0001/55 開発・練習用
0002/55 開発・練習用
0003/55 ミッレミリア2位(ファンジオ)、アイフェルレンネン及びスェーデンGP優勝
0004/55 ミッレミリア及びタルガ・フローリオ優勝
0005/55 ダンドロド及びタルガ・フローリオ2位
0006/55 ルマンでの事故により廃車
0007/55 クーペ Uhlenhautユース
0008/55 クーペ
0009/55 未完成
0010/55 軽量マシーン開発用



1955 Mercedes Benz 300 SLR Coupe Chassis # 0008/55 1/24 FUJIMI Enthusiast Series 08226

■300SLR Coupe スペック

エンジン型式:57度傾斜直列8気筒 セントラル・パワーテイクオフ
バルブ:ギア駆動DOHC、2バルブ、デスモドローミック、狭角96.5度
バルブ径:吸気50mm/排気43mm
コンロッド:16カウンターウェイト ヒルト式ローラーの10ベアリング
潤滑:ドライサンプ(タンク容量35リッター)
ボア・ストローク:78×78mm
総排気量:2982cc
圧縮比:9.3
気化方式:ボッシュ・ステンペル直接噴射
点火方式:ボッシュ・ダブル・イグニッション
点火順序:1、4、7、6、8、5、2、3
最大出力:302HP/7500rpm
最大トルク:30.2mkg/5950rpm
最高回転:8400rpm(連続時7800rpm)
エンジン重量:235kg

クラッチ:乾式単板、径240mm
変速機:5段、2-5段ボーグ・シンクロ

フレーム:径25mm厚1mm多鋼管スペースフレーム
サスペンション前:独立懸架、ダブル・ウィッシュボーン
サスペンション後:独立懸架、シングル・ピポット・スウィング・アクスル
ブレーキ前:アルフィン・ドラム、2系統式ATEサーボ付、ドラム径350mm
ブレーキ後:アルフィン・ドラム、2系統式ATEサーボ付、ドラム径275mm
タイア:前6.00×16、後7.00×16

ホイールベース:2370mm
トレッド:前1330mm、後1380mm
全長×全幅×全高:4400mm×1750mm×1300mm
車両重量:988kg
燃料タンク容量:142リッター

最高速度:272km/h

1955 Mercedes Benz 300 SLR Coupe Chassis # 0008/55 1/24 FUJIMI Enthusiast Series 08226

■ガル・ウィング
良く聞く話に燃料タンクがボディ・サイドにある為、ガル・ウィング・ドアが採用されたと言うのがあるのだが実は大きな間違いだ。
燃料タンクはドライサンプ式エンジン用の35リットル・オイルタンクと共に車体の後端にオーバーハングされている。

直径20〜25ミリ、肉厚0.8ないし1ミリの多数の細く短いい鋼管を溶接したシャシー構造の為、大きな開口部を設ける事が出来ず採用されたと言うのが正しい。
すべての構成メンバーは引っ張りまたは圧縮のみを受ける様に設計されておりW196Rの場合、全体で最大4Gの加重に耐える事が出来、シャシーは骨組みのみで36キログラムと言う軽量化が達成されている。

因みに燃料が減少して後輪加重が減少した場合、トーション・アンカーに組込みまれた補助バネをドライバーがレバー操作でオフ状態に出来、サスペンション・セッティングをもとの状態に戻す事が出来る。

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■エンジン
低い重心高と軽量化を主目的に直列8気筒を右に57度傾斜して搭載、直8とは言え4気筒ブロックを2基、中央で連結する手法により長大なクランクシャフトの捩じり振動を排除している。

バルブ駆動については、開閉をスプリングの張力によらず機械式にカムで行うデスモドローミック・バルブ方式を採用している。
利点としては高回転時、スプリングの場合のバルブクラッシュやスプリングの折れが無い事で、大径のバルブを高回転でも確実に駆動出来る事だ。
これで敢えて4バルブの必要も無く2バルブで十分な性能が確保出来、製造の簡素化、エンジンの軽量化へも繋がる。
実際、ドライで235キログラムと言う軽量化が達成されている。

このエンジンの信頼性については、平均時速157.65キロと言う驚異的な記録でミッレミリアを制したモス/ジェンキンスの300SLR #722 をレース終了後、テストベンチで計測したところ製造当初と変わらない数値が示されたと言う事でも実証されている。

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■ブレーキ
新しいブレーキ・システムとしてディスク・ブレーキはジャガーCタイプですでに実用化されており、その威力はルマンでも実証されていた。
しかしメルセデスは、敢えてドラムに固執した。
理由としては開発に係る時間が無かったと想像される。

しかしその設計・製作については、さすがと言える内用である。
まず、ブレーキの設置場所は前後共、インボードとして、バネ下重量の低減を図った。
アルフィン式ドラムはシルミン合金鋳造のフィン付きで鋳鉄ライナーに直接鋳込まれており冷却性を向上させる為にドラム全体をアルミ板シュラウドで覆われていた。
1955年からは油圧サーボを追加して踏力の軽減が実現された。
ただ、このブレーキの弱点としては徐々にウォームアップしないとクラックが入る恐れがあった様だ。

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■サスペンション
前後とも縦置きトーションバーによる4輪独立懸架でフロントは通常のダブル・ウィッシュボーン、リアは「シングル・ピポット・スウィング・アクスル」と言う独特の構造
となっている。
通常のスウィング・アクスルだとトレッドとキャンバーが大きく変化し操縦性を損なってしまうが、この「シングル・ピポット・スウィング・アクスル」では、ハブを横方向に位置決めするのは、ファイナル・ドライブ・ハウジングの真下に位置するピポットを、左右で共用する「スウィング・アーム」で、ドライブシャフト自体も、それぞれ一対のUジョイント及び「スライディング・スプライン」を持つ、したがって、後輪は依然としてキャンバー変化するもののアーム長が非常に長いので、変化はごく僅かとなる。
こうした構造を採用した理由として重心高を出来るだけ低くして横向き加速度に対する操縦性をコンスタントにする狙いだった様だ。

当時のフェラーリ、マセラーティは前後共横置きリーフスプリングでリアは「ドディオン・アクスル」に過ぎなかった。

1955 Mercedes Benz 300 SLR Coupe Chassis # 0008/55 1/24 FUJIMI Enthusiast Series 08226



■余談として
諸事情によりDaimler Benz AGがレースから撤退してしまった為、ゼッケンを付けてレースに参加する事が出来なかった300 SLR Coupe
いまさら仮説を弄んでも仕方が無い事なのだが、あえて言うならばDaimler Benz AGがレース活動を続けていたら300 SLR Coupeは間違いなくレースを支配していた事だろう。

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■モデルについて
まず初めに白状するとこのキットの製作にあたっては、まったくの素の状態でのヤッツケだった。
今、思うと大変勿体ない事である。
生産は1993年と説明書の最終ページに記載されている。
現在、ネットで検索しても中々このキットには出会えないのだ。

キットの内容としては
シャシーも実車に倣ってパイプ状を模したパーツなのだが、この手の部品は往々にして曲がりやゆがみがありボディと組んだ時にズレが生じたりして手こずる事がある。
しかし、このキットは何の修正もせずすんなりと組めた。

1955 Mercedes Benz 300 SLR Coupe Chassis # 0008/55 1/24 FUJIMI Enthusiast Series 08226

このモデルの特徴として最大のウリであるガルウィングについても開閉可能な構造としては良く出来ている。
パーティングラインについても一般的に見てごく僅かと言えるだろう。
ワイアホイールの出来も素晴らしい。
で、あぁ勿体ないなのである。

まぁ生きているうちに機会があれば、このモデルの再生と言うのも良い趣味だろう。Aha!


300SLR Chassis # 0008/55

1/12 Revell 


1/18 CMC 


1/43 Minichamps


Mercedes Benz Renntransporter 1954 CMC Model 1/18

300SLR Targa Florio 1955

1/18 Maisto


1/43 Brumm 2nd No.112 
 
           




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